2026-02-17 先生に聞いてみた!
【必見】初谷敬史先生に聞いてみた!発声法ってなあに?②
【必見】初谷敬史先生に聞いてみた!発声法ってなあに?②
前回に引き続き、初谷敬史(はつがい たかし)先生が発声法について語ります…
(生徒) 声楽的に歌うには喉を開くことが大事ってことは教えてくれたけど、その喉を開くためには具体的に何をしたらいいの?
(初谷先生) 声楽的に喉を開くとはいくつかのチェックポイントがあります。喉仏の位置・下顎の位置・舌の位置・声帯の締め具合・軟口蓋の位置、そして息の流れと声の量・響き、これらを組み合わせて声楽的な音色が出せたときに声楽的に喉を開くことができたと言います。これは一方で 喉を締めているのかもしれません。イメージから言うと“あくび”をしたときのような状態です。つまり、喉仏を下げて、下顎を下げて、舌を下げて、声帯を緊張させずに、軟口蓋を上げて、その状態で然るべき量の息を流し、声帯を適度に震わせ、豊かな響きを伴うようにする…。しかしながら、あくびは自由がきかないように感じます。それを自由な感覚にしなければなりません。そのためには、筋力を使うのだけれど、そこに必要以上の力が加わらないようにする訓練が必要なんです。
(生徒) じゃあ…一体どんな訓練をしないといけないの?
(初谷先生) いま挙げたことをひとつずつ分解して訓練します。あくびはひとつの動作として認識しています。しかし、本当は部位ごとに違った動きをしており、それがひとつの動作にまとまっているわけです。声楽的な訓練では、部位ごとの動きを確認していきます。例えば、喉仏だけを下げたり、下顎だけを下げたり、声帯を締めたり開けたりする訓練をします。最終的にそれらを組み合わせて声を出します。結局のところ、その身体にとっていちばん良いバランスに整えることです。しかし、これは音域や母音によって変化してしまうものなので、その都度バランスを整える必要があります。
(生徒) ええっ!それって先生が絶対必要だよねえ!
(初谷先生) そうですね、いた方が良いと思います。一流の歌手であっても、誰かに整えてもらわなければ、自分でバランスを整えることは難しいです。歌の場合、歌うのに必要な部位が自分ではほとんど見えません。そして、自分の歌声を本当の意味で“客観的”に聴くことができません。もちろん、自分の感覚を頼りに自分でバランスをその都度整えていくしかないのですが、何かの思い込みによって、良くない状態に陥ってしまうことがよくあります。そうなってしまうと、音域を狭めてしまったり、すぐ声が枯れてしまったり、息が長く続かなくなったり、音色に雑音が混じってしまったりします。そして最悪の場合、音声障害を起こしかねません。喉は繊細なので、無理のないバランスに整えておくことが大事です。
(生徒) へえ〜、なんだか歌の先生ってスポーツのコーチみたい!
(初谷先生) まさにその通りです。たとえば、大谷翔平選手でも一年を通して絶好調ということは絶対にありません。それは、体の疲労やメンタルなどの要因もありますが、一番はフォームのバランスが崩れてしまうためです。そこを客観的にみてくれるコーチがかならず必要なのです。歌は文化的な側面がある一方で、スポーツ的な側面があります。ボイトレはそこを補うものなのです。
(生徒) なるほどお〜、よく分かりましたあ!

初谷敬史(指揮者/テノール)
〜プロフィール〜
東京芸術大学声楽科卒業。1996年、コンテンポラリー・ヴォーカル・アンサンブル「ヴォクスマーナ」を設立し、「声」による新しい音楽創造の可能性を探求している。
2017年、アンジェロ・コマストリ枢機卿による司式「日本・バチカン市国 国交樹立75周年記念ミサ」(サン・ピエトロ大聖堂)にて聖歌隊の指揮を務める。2018年及び2019年、「3歳からの渋谷こどもオペラ」にて、フンパーディンクのオペラ『ヘンゼルとグレーテル』の演出・指揮を務める。2020年より毎年、三枝成彰主催「哀しみのモーツァルト」にてモーツァルト『レクイエム』室内楽版を指揮。2021年、「感染症に立ち向かう大村智記念研究所募金(イベルメクチン)支援チャリティー公演~未来のために忘れてはならないこと」にてバッハ『マタイ受難曲』を指揮。2022年より毎回、三枝成彰編曲「美しき日本のうた」で東京フィルハーモニー交響楽団を指揮。2025年「第1950回トヨタコミュニティーコンサート」(音楽監督:三枝成彰)にてフンパーディンクのオペラ『ヘンゼルとグレーテル』を指揮。
また、六本木男声合唱団の仲間と共に、フィリピン「レイテ島」、「ルソン島」(2011年)、ソロモン諸島「ガダルカナル島」(2012年)、パラオ「ペリリュー島」(2014年)、マーシャル諸島「クェゼリン島」(2017年)、ミャンマー「白骨街道」(2018年)、北マリアナ諸島「サイパン島」、「テニアン島」(2023年)などにて戦没者慰霊「献歌」を行っている。
2021年よりYouTubeチャンネル「新全日本都道府県歌再興委員会」を開設。
ではまた次の記事で!
(インタビュアー:エムラボ・ハッチ ピアノ講師 川島大空 かわしま ひろたか)
■音楽教室/レンタルスタジオ「M-Lab HATCH」(エムラボ・ハッチ)は、2025年1月に、目白駅から徒歩2分のところにオープン。開放的で洗練された空間で、音楽教室、レンタルスタジオ、そして、サロンコンサートやワークショップなどのさまざまなイベントを開催し「すべての人にとってより良い未来をつくる」ための活動を展開している。

■エムラボ・ハッチは、国内外で活躍中の実力派講師を揃えております。お子さまから大人までどなたでも、習い事から受験対策、プロ育成まで幅広く対応しております。
体験レッスンは、いつでも募集しております。お気軽にお問い合わせください。